Philosophy

ナガサキ・オマージュ ―今、なぜ長崎なのか―

一八五九年の開国から明治維新を経て一五〇年。江戸時代、日本で唯一の国際都市であった“長崎”の繁栄が少しずつ忘れ去られようとしています。長崎の場所をよく知らない若い世代も出てきています。時代を死にものぐるいで生きていた先人たちの記憶が遠のくことに焦りを感じます。江戸時代、外国との交易を公にゆるされた長崎では異国人との交流、モノの交易、異文化との接触が活発に行われ、独自の気風、魅力あふれる史跡や文化が数多く残されています。長崎の歴史を興味深く洞察し、その魅力を伝える拠点が必要です。遺産を残すことが目的ではなく、それをステップにして僕たちが未来をつくるためです。時代は変わっても人の感情は同じであることを確認します。先人たちに勇気をいただくわけです。資源の少ない郷土長崎がベネツィアやフィレンツェのように、今後も永く活況を呈しつづけるため観光事業を新時代に向けて発信していきます。単に歴史的な魅力を伝えるだけでなく、いまを伝えることが大切です。

そこで、科学的かつ芸術的にモノ、コトをコミュニケートしていくナガサキベイデザインセンターを設立します。ナガサキを伝えていくインフォメーションセンターでもあります。当デザインセンターは現在進行的世界の芸術、工芸、デザインに着目し、それを多様なメディアで発信します。表現されるすべてのものはデザインの時代にふさわしい洗練されたものでなければなりません。人に気持ちを伝えるためには気持ちの良いしつらえが必要であるからです。
歴史と人と知恵。
無限の資源。
それを人に伝えるために良いしつらえで人をおもてなし。
そして良いデザイン。
人の人生に
希望をもたらす旅。
もう一度行きたい街“
ナガサキ”。
デザインの力。
創造力は無限の資源である。